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外食ビジネスアナリスト 三輪大輔

MIWA JOURNAL
「MIWA JOURNAL」は、外食産業・飲食業界の最新動向を、企業戦略・業界構造・現場視点から読み解く専門メディアです。日々のニュースを単に追うのではなく、「なぜそれが起きているのか」を継続的に解説しています。「外食ニュース解説」をはじめ、「飲食経営者の肖像」「飲食DXの伴走者」などの連載を通じて、外食産業の現在地と変化の本質を伝えています。更新は火曜・木曜。
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第2次ハワイアンブームの正体。なぜ今、「ハワイ」を求める商業施設が爆増しているのか?
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト ■テレビ各局で相次ぐ「ハワイ特集」の舞台裏 4月1日にYahoo!ニュース エキスパートで公開した「第2次ハワイアンブームの正体。“高嶺の花”となったハワイ旅行と、国内代替消費の拡大」という記事が、大変ありがたいことに多くのテレビメディアで取り上げられました。 4月中旬から5月にかけて、各局のニュース番組で「いま、なぜ日本でハワイアンが熱いのか」というテーマで解説させていただきました。 『グッド!モーニング』(テレビ朝日) 『news every.』(日本テレビ) 『THE TIME,』(TBS) 『サタデーLIVE ニュース ジグザグ』(テレビ朝日) なぜ今、再び「ハワイアン」なのか。この現象を読み解くには、まずこれまでのブームの歴史を振り返る必要があります。 ■ 2010年、トレンドエリアを席巻した「第1次ブーム」 そもそも日本における本格的なハワイアンブームは、今回が初めてではありません。第1次の波が起きたのは、今から15年ほど前の2010年前後のことです。 この時、ブームの象徴となったのが『Eggs 'n

三輪大輔
3 日前読了時間: 5分


なぜデリバリーは「お店価格」になったのか? 出前館・Uber Eats・ロケットナウの新戦略が目指す「日常化」
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト コロナ禍で爆発的に普及したデリバリー。しかし、お店より高い価格設定がネックとなり、利用を控える人も少なくありません。実際、国内市場は2019年の約4200億円から2025年には約8240億円へと拡大する見込みですが、ここ数年は成長が鈍化しています。 こうした中、米Coupangグループの日本法人が運営する「ロケットナウ」が、配送料・サービス料無料というモデルで存在感を高め、「出前館」や「Uber Eats」も「お店価格(店頭同等価格)」へと舵を切りました。 これは単なる価格競争ではありません。「高いから時々使うサービス」だったデリバリーを、「日常的に使うもの」へと変えるための競争です。なぜ各社は、収益を削ってまで踏み込むのか。そこには、デリバリーを「便利なサービス」から「生活インフラ」へと変えようとする構造転換があります。 「お店価格」競争の引き金となったロケットナウ 日本のデリバリー市場における2026年の激変。その引き金を引いたのが、韓国発の「ロケットナウ」でした。韓国では、デリバリーはすでに水道や電気のよう

三輪大輔
4月28日読了時間: 6分


「鳥貴族」「日高屋」「しゃぶ葉」も…なぜ外食チェーンの炎上は止まらないのか? 現場の限界とSNS時代のQSC戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「バイトテロ」ではなく、現場の限界が可視化されている 2026年に入り、大手飲食チェーンの炎上が相次いでいます。 「しゃぶ葉」:肉が薄すぎて皿が透けて見えるとSNSで拡散。 「鎌倉パスタ」:パン食べ放題なのに「パンが全然来ない」と不満が噴出。 「鳥貴族」:食べ飲み放題での誤請求トラブル。 「日高屋」:異物混入や接客トラブルの投稿。 これらの多くは、かつてのような「バイトテロ」ではありません。むしろ、「現場のオペレーションが追いついていない実態」が、顧客のスマートフォンを通じて可視化されてしまっているのです。 以前であれば、店内でのクレームや、その場での指摘で終わっていたかもしれません。しかし今は違います。一つの違和感が写真や動画とともに投稿され、個店の出来事がブランド全体の評価へと直結する時代になりました。 ラーメン二郎を巡る“ルール論争”や、スターバックスの卒業投稿を巡る炎上などもそうです。本来はその場で完結するはずだった個別事案が、SNSによって「企業全体の姿勢」の問題へと変換されてしまう。いまや、顧客のスマ

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4月23日読了時間: 5分


【外食企業の現在地】「THE KNOT FUKUOKA Tenjin」が示す新たな価値。MOTHERSが福岡・大名で提案する“泊まれるレストラン”
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 福岡の勢いが加速している。 「天神ビッグバン」に象徴される再開発は街の景観を大きく変えつつあり、高層ビルや新たな商業施設の誕生が続く。街を歩けば若い世代の活気が伝わり、人口動態を見ても若年層の流入が顕著で、消費の熱量は高い。空港の利用者数も伸びており、特に韓国からの旅行者の増加が目立つ。福岡空港では2025年度、3年連続で旅客数が過去最高を更新し、2856万人に達する見通しだ。福岡は今、国内の有力都市という枠を超え、アジアのハブとしてさらなる成長が見込まれる。 その中心地・天神に隣接する大名、赤坂、大濠。その結節点に位置する場所に、新たなホテルが誕生した。それが26年4月に開業した「THE KNOT FUKUOKA Tenjin」である。長年親しまれてきた旧プラザホテル天神を全面改修し、建物の価値や記憶を引き継ぎ、新たなホテルとして生まれ変わった。 2026年4月20日に開業した「 THE KNOT FUKUOKA Tenjin」 “泊まれるレストラン”という新提案 ライフスタイルホテルブランド「THE...

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4月21日読了時間: 6分


特定技能1号の新規受け入れ停止。外食業界に与える衝撃と構造的リスクとは
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 昨晩、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」にて、特定技能1号の新規受け入れ停止について解説させていただいた。特集を通して、外食業界の現状を踏まえた丁寧な編集で、置かれている状況は視聴者にも一定程度伝わったのではないかと感じている。 将来の人材供給を遮断する「新規停止」の本質 今回の受け入れ停止は、新規の流入が止まるという点に本質がある。すでに働いている人材の在留更新や転職は可能であるものの、将来に向けた人材供給が遮断される影響は小さくない。外食企業は半年先を見越して採用や出店計画を組めるため、その前提が崩れることで、開業の延期や営業時間の短縮といった現場への影響が現実的に生じる。 また、特定技能人材は単なる補助ではなく、現場の戦力として組み込まれている。採用や育成を前提としたオペレーション設計がなされている以上、その供給が止まることは、単なる人手不足ではなく、仕組みの一部が機能しなくなることを意味する。 コスト構造の限界と人材獲得競争の激化 外食は、提供する価値そのものが「人」に紐づいている産業である。

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4月14日読了時間: 4分


トリドールが「DX注目企業2026」に選出された理由。「心的資本経営」を支えるDXと、その先にあるAX
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 外食DXの本質を教えてくれたトリドール 外食業界のDXの進め方については、トリドールホールディングスを見ておけば間違いない。実際、私自身も過去に何度か同社のDX推進の取り組みを取材させていただき、そのたびに多くの示唆を得てきた。特に、DXがまだ一般化していない段階で取材の機会をいただき、外食におけるDXの本質を学ばせてもらった。それが拙著『外食業DX』のベースにもなっている。 そのときにDXの本質を教えていただいたのが、同社のDXを牽引する存在である執行役員CIO/CTOの磯村康典氏だ。同氏は富士通を経てソフトバンクに入社し、小売業のECシステム開発などに従事。その後、ガルフネット執行役員へ就任。2012年にはOakキャピタルの執行役員として、事業投資先であるベーカリーやFMラジオ放送局などの代表取締役を務めながら、ハンズオンでの経営再建に携わってきた。 こうした実務と経営の両面を横断してきたキャリアが、現在のDX推進の礎となっていることは間違いない。また、『飲食店経営』6月号のDX特集でもお話を伺っており、DX

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4月10日読了時間: 7分


ゼンショー創業者、小川賢太郎氏は外食の何を変えたのか。5坪の弁当屋から1兆円企業へ、その軌跡
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト これまで外食ビッグ4やバーガー・ワン、 オリーブの丘 など、ゼンショーホールディングスについて繰り返し書いてきた。それは、この企業を起点に見ることで、現在の外食業界を理解しやすくなるからだ。それほどまでに、同社は産業そのものを体現する存在だといっていい。 生成Aiで作成 そうした前提に立てば、ゼンショーの創業者である小川賢太郎会長は、日本の外食産業に金字塔を打ち立てた稀代の経営者といえるだろう。その小川賢太郎会長が4月6日に逝去された。外食産業の歴史を振り返ると、そのリーダー像は約10年ごとに変化してきた。 例えば、1970年代は「Pioneers」の時代だ。外食という産業そのものが未成熟な中で、チェーンストア理論を持ち込み、骨格をつくった開拓者たちが現れた。「つぼ八」を創業した石井誠二氏や、日本マクドナルドを立ち上げた藤田田氏などが、その代表例である。 1980年代は「Builder」の時代だ。ロードサイド型の大型店舗を全国に広げるとともに、都市部でも外食文化が広がり、日常の中に定着していった。「カフェ.

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4月7日読了時間: 7分


「鰻の成瀬」の大量閉店は失敗か、再生への布石か。「しんぱち食堂」との比較で見えた外食フランチャイズの成功法則
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 外食経営を「短期的な成否」で断じてはならない理由 不祥事であれば話は別だが、私は、うまくいかなかった飲食店を安易に断じることはしたくない。そもそも経営は、短期で評価できるものではない。ある時点では失敗に見えたとしても、数年後に復活することは珍しくない。実際、外食の歴史は、その繰り返しで成り立っている。まさに、災禍は糾える縄のごとし。不幸が別のかたちで作用し、結果として成功へと転じることもある。だからこそ、今起きている現象を「良い・悪い」で切り分けるのではなく、その背景にある構造を捉えることが大切だ。 異例のスピードで駆け抜けた「2年300店舗」の軌跡 それを踏まえて、フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社が運営する「鰻の成瀬」の話をしたい。鰻の成瀬は、2022年の1号店出店以降、驚異的なスピードで店舗を拡大してきた。わずか2年で300店舗を達成し、外食業界でも異例の成長曲線を描いた存在である。 職人を必要としないオペレーション。居抜きで出店できる柔軟性。そして低い損益分岐点。こうしたビジネスモデル

三輪大輔
4月2日読了時間: 8分


日本上陸の『Too Good To Go』がフードロス削減を加速。「安売り」を「社会貢献」へ再定義する外食産業の革命
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 2026年4月、再び訪れた「値上げラッシュ」 2026年4月、食品の値上げは2798品目にのぼり、年内初の値上げラッシュが起きている。原材料費や人件費の上昇が続く中、外食や食品の価格は上がり続けており、消費者にとって「安く買える機会」はこれまで以上に大きな価値を持つ。 一方で、飲食店にとって値引きは簡単な手段ではない。単純な値下げは、ブランド価値の毀損や利益率の悪化につながるリスクを伴う。特に近年は、価格戦略そのものがブランドのポジショニングと強く結びついており、安易な値引きは長期的な競争力を損なう可能性すらある。そのため、多くの企業は値引きを「やりたくてもできない」状況に置かれてきた。 このジレンマに対して、今、新たな解が生まれつつある。それがフードロス削減を軸にした「条件付きの値引き」だ。「クリスピー・クリーム・ドーナツ」で導入が進む「Too Good To Go」や、「丸亀製麺」「エクセルシオールカフェ」などが活用する「TABETE」といったサービスを通じて、余剰商品や売れ残りがアプリ経由で販売される仕組

三輪大輔
3月31日読了時間: 5分


「安くて、旨くて、感じがいい」はもう限界。特定技能の停止が突きつける、外食「奇跡の時代」の終焉
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 外食業界に激震が走っている。 政府は2026年4月13日をもって、人手不足対策の柱であった「特定技能1号(外食業)」の受け入れを原則停止すると発表した。2028年度までの上限5万人に、想定を上回るスピードで達してしまったためである。 すでに採用を決め、現地で教育を終え、「あとは日本に来るだけ」と入国を待っていた企業にとっては、経営計画が根底から覆る事態だ。しかし、このニュースが突きつけている真の課題は、単なる人手不足ではない。日本の外食が守り続けてきた「高品質・低価格・好サービス」というビジネスモデルそのものの限界である。 1. 顧客の「期待」と産業の「現実」の致命的なズレ 今、日本の外食は、逃げ場のない「板挟み」にある。 まず、顧客側の感覚を整理してみよう。 ・モバイルオーダーは味気ない。丁寧な接客がいい。 ・海外展開ばかりするのは国内を軽視しているように見える。 ・外国人スタッフが増えることには、不安を感じる。 ・しかし、価格は1円たりとも上げてほしくない。 一方で、企業側の現実はこうだ。 ・圧倒的に人が足

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3月29日読了時間: 3分


すかいらーくが110億円で買収したのは「焼き魚」ではない。都市攻略の高回転エンジン「しんぱち食堂」の実力
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 110億円の買収劇が示す「外食の新機軸」 すかいらーくが110億円で「しんぱち食堂」を買収した。これは単なる低価格帯の補強ではない。都市部攻略と成長軸の再設計を見据えた戦略的な一手である。焼き魚という手間のかかるメニューをファストフード化した同業態は、効率性と回転率を両立したモデルだ。人口減少とコスト上昇が進む中、外食企業には立地・業態・運営を一体で見直す視点が求められている。今回の動きは、その具体例といえる。 郊外から都市部へ——すかいらーくが直面する「立地と効率」の課題 すかいらーくは「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」といった中価格帯のテーブルサービス業態を基盤としてきた。業態開発力にも定評があり、「飲茶TERRACE 桃菜」や「イタリアン リゾート ペルティカ」など、新ブランドの創出でも存在感を示している。 一方で、低価格帯における明確な強みは限定的だった。そうした中、同社は人口動態の変化を踏まえ、郊外型から都市型へのシフトを進めている。高度商業集積エリアや私鉄沿線の駅前では、限られたスペースで高回転を

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3月25日読了時間: 3分


「模倣から独自化へ」中国の外食企業に飲み込まれる日本の品質。中国市場に潜む二つのカントリーリスク
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 「スシロー騒動」の裏側に潜む、一店舗の不祥事では済まない構造的危機 北京のスシローで発生した当局の立ち入り検査と、SNSでの激しいバッシング。このニュースを見て、「またか」と思われた方も多いかもしれません。しかし、この騒動を一店舗の不祥事や、単なる一時的な感情の高まりとして片付けるのは危険です。ここには、日本の外食産業が直面する、より根深く、残酷な構造変化が隠されているからです。 かつて世界を席巻した日本の家電産業が、地場企業の猛追とデジタル化の波に飲み込まれていった歴史。いま、外食産業もまた、同じ道を辿ろうとしている危険性があります。 地政学リスク以上に恐ろしい、もう一つの「見えないリスク」とは これまで、中国におけるカントリーリスクといえば、政治情勢や不買運動といった「地政学的リスク」を指すのが一般的でした。しかし、今、真に警戒すべきだと感じるのは、二つ目のリスク――すなわち、経済発展のプロセスに伴う構造的逆転です。中国の外食企業に競争の主導権を握られること自体が、新たなカントリーリスクになりつつあります。

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3月19日読了時間: 6分


【楽曲レビュー】失くしたのは景色だけ。伯父の迎え火と「NとLの野球帽」
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 記憶の中の伯父と、重なり合う視線 その当時、この曲を聴いていたわけではない。それでも、この曲を聴くと、なぜか2022年に亡くなった伯父のことを思い出す。かつての父と母、そして幼い自分という三人の時間を見つめる主人公の視点。その主人公に、どこかで伯父の姿を重ねていたのかもしれない。親父とおふくろに対する描写から滲む不器用な愛情が、伯父に似ていたのだろう。 伯父は、70歳で亡くなるまで生涯未婚だったため、3DKの団地の5階で、ずっと祖母と二人で暮らしていた。若い頃に縁談がなかったわけではない。親戚としての多少贔屓目もあるだろう。ただ180センチ近い高身長で、腕利の植木職人として知られていたので、好意を寄せる女性がいなかったとは考えられない。それでも結婚には至らなかった。結局のところ、結婚は縁とタイミングが大切なのだ。 だからこそ、自分にとって、伯父と祖母はいつもセットの存在だった。しかし、祖母が認知症を患い、施設に入ってからは、伯父は一人暮らしになってしまう。それまで当たり前にあった日常が崩れ、特に苦労したのが食事

三輪大輔
3月17日読了時間: 6分


【飲食経営者の肖像】効率やハックを超えた「誠実さ」の力。ロイヤルホールディングス・阿部社長が語る、100年企業を目指す矜持
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 応接室で紅茶を飲むような、やわらかな時間 招かれた家の応接室で、紅茶を飲みながら話をしている。そんな錯覚を覚えた。心がホッとするような、やわらかな時間が流れていく。どこか、仲睦まじい家庭の話を聞いているような温かな雰囲気だった。例えるのなら親戚のおじさんの話を聞いているような感覚に近い。構える必要がなく、言葉がすっと入ってくる。 ロイヤルホールディングスの阿部さんは、そうした空気を自然にまとった人物だ。その温かさは、単なる人柄ではない。「ロイヤルホスト」というブランドが持つ価値観を、そのまま体現しているように映る。実際、阿部社長は現場の店長を経験し、そこから経営の道を歩んできた。店舗で積み重ねた日々が、今の経営判断の礎になるのと同時に、言葉の重みと、にじみ出る安心感へとつながっているのだろう。 真面目、誠実、正直。いずれも使い古された言葉である。コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスが重視される現代では、どこか時代遅れで、効率の悪いものとして扱われがちだ。それよりも、いかに損をせず、賢く立ち回るか。そうした

三輪大輔
3月13日読了時間: 3分


コロワイドが「ベローチェ」を440億円で買収!なぜ今カフェなのか?大戸屋・牛角に続く再生の行方
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト C-United買収の舞台裏——ファンドが磨き上げた「440億円」の価値 外食大手の株式会社コロワイドが、「カフェ・ベローチェ」や「珈琲館」などを展開するC-Unitedを約440億円で買収する。ベローチェや珈琲館は、もともとシャノアールという会社が運営していたカフェブランドである。しかし2010年代後半になると、低価格路線が行き過ぎたこともあり、「価格は安いが、店舗は古く、ブランドの魅力も弱い」という状態に陥り、成長が鈍化していた。 こうした状況の中、2019年に投資ファンドのロングリーチグループが同社を買収し、社名をC-Unitedへ変更。ファンド傘下で価格戦略の見直しや店舗改装、ブランド整理などを進め、収益構造の立て直しを図ってきた。具体的には、過度な低価格路線からの脱却に向けた値上げ、老朽化した店舗のリニューアル、さらにベローチェや珈琲館、カフェ・ド・クリエなど複数ブランドの整理・再設計を進めることで、企業価値の改善を図ってきた経緯がある。 そして今回、そのC-Unitedをコロワイドが約440億円で取

三輪大輔
3月10日読了時間: 4分


【飲食DXの伴走者】動画を撮るだけでAIがマニュアル化。スタディスト・Teachme Bizが実現する、現場教育の標準化と工数削減
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト なぜ「動画マニュアル」は挫折するのか? 現場を阻む制作のボトルネック 昨今、飲食店で働く人材は大きく変化している。外国人材、スポットワーカー、副業人材など、バックグラウンドも経験値も異なる人材が混在するようになった。こうした環境では、従来のOJTや紙マニュアルだけでは教育が追いつかない。 その代替として動画マニュアルが広がってきたが、ここに新たな課題が生まれている。「動画は作るのが大変すぎる」という問題だ。撮影後の編集、字幕付け、手順整理。さらに業務が変われば撮り直しが必要になる。結果として、「作れない」「続かない」状態に陥るケースも少なくない。 生成AIが描く「撮るだけ」のマニュアル作成 こうしたボトルネックを解消するために進化してきたのが、スタディストの「Teachme Biz」である。 同サービスは、国内外約2,300社以上で活用されているマニュアル作成・共有システムだ。業務をステップ単位で分解・可視化することで、属人化しやすい現場オペレーションを標準化し、「いつ・誰が・どこで行っても品質がブレない」状態

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3月5日読了時間: 4分


外食売上ランキングの地殻変動——「ビッグ4」へと再編された勢力図。ゼンショーの帝国、すかいらーくのDX、スシローの世界戦略、マックの超利益
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 外食産業の勢力図は大きく変わるのだろうか。 日本の外食産業において、売上高ランキングの顔ぶれは長年、不動のものだった。株式会社ゼンショーホールディングス、株式会社日本マクドナルド、株式会社すかいらーくホールディングス。いわゆる、この「ビッグ3」は2010年以降、ほぼ固定化されており、アベノミクス、インバウンドバブル、そしてコロナ禍と、幾度もの荒波を乗り越え、時に乗りこなしながら、外食業界の成長を牽引してきた。 不祥事が起きてもなお、その序列は不動だった。例えば、2014年から15年にかけ、日本マクドナルドは食の安全を揺るがす深刻な危機に直面。2015年度には過去最大となる347億円もの純損失を叩き出した。だが、それでもランキングは動かない。むしろサラ・カサノバ氏(当時社長)の下で鮮やかなV字回復を遂げ、ビッグ3の地位をいっそう盤石なものにした。 しかし、2025年。ついに決定的な地殻変動が起きた。不祥事があったわけではない。それどころか過去最高益を更新したにもかかわらず、日本マクドナルドが売上順位で4位へと転落

三輪大輔
3月4日読了時間: 12分


トリキバーガーが2026年3月に完全撤退。なぜ鳥貴族は「焼き鳥一点突破」を選んだのか?――「Global YAKITORI Family」が描く、世界制覇へのシナリオに迫る。
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト トリキバーガー撤退は「失敗」ではない。勝てる領域への戦略的資源集中 「トリキバーガー」が2026年3月をもって完全撤退する。焼き鳥チェーン「鳥貴族」を展開する企業の新規業態として注目を集めた挑戦は、数年で幕を閉じることになった。 しかし、この決断を単なる失敗と見るのは早計である。今回の撤退は、多角化から「焼き鳥一点突破」へと舵を切る明確な戦略判断だ。以前、本ブログの 「経営者の肖像」で大倉社長 を取り上げた。そこで強く印象に残ったのは、「理念を掲げるだけでなく、構造を変える」という姿勢である。今回の社名変更とバーガー撤退は、その思想の延長線上にある。 縮小ではない。勝てる領域への資源集中だ。その先にあるのは、焼き鳥によるグローバル展開という構想である。 「Global YAKITORI Family」が目指す第2の創業 鳥貴族は2024年5月、社名をエターナルホスピタリティグループへ変更した。大倉忠司社長は以前、 『月刊飲食店経営』のインタビュー で、その理由をこう語っている。 「一番大きな理由は海外展開を本気

三輪大輔
2月27日読了時間: 4分


【グルメ/ラーメン】有楽町「AFURI」
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 「AFURI」というと、都心のラーメン店というイメージが強い。実際、渋谷、恵比寿、中目黒、六本木などに店舗を構え、現在の店舗数は20店ほどある。私自身、飲み歩いていたときは六本木や麻布十番の店は利用したことがあり、都心の方にとっては馴染みのチェーンではないだろうか。 今回訪れたのは、有楽町駅の「LUMINE STREET」にある店舗だ。LUMINE STREETは2025年6月25日にオープンした施設だが、AFURIはその中心エリアから少し離れた場所、改札に近い“離れ”のような立地にある。そのため、周辺で働く会社員の利用が多いのかと思っていたが、店の前に立った瞬間、意外な光景が目に入った。行列のほとんどが海外からの来店客だったのだ。店内に入っても、その光景に変わりはない。体感では8割ほどが外国人ではないだろうか。欧米系、アジア系と客層は実に多国籍で、時間帯によっては日本人のほうが少ないほどだった。 日本のラーメンが海外で強いコンテンツになっていることは知識として理解していたが、ここまで多国籍の客が一つのラーメン

三輪大輔
2月24日読了時間: 3分


「第4次モーニングブーム」の到来。なぜ今、ファミレスの朝が最強の主戦場になったのか?
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト メディアが注目する「第4次」の正体 2月17日、フジテレビの情報番組「Live News イット!」で モーニングブームの背景について解説するインタビュー に応じました。さらに2月19日には、日経クロストレンドが「 サイゼリヤが始動、『朝サイゼ』リポート 朝マックやコメダにない価値 」を公開するなど、朝に対する関心が一気に高まっています。 そこで使われているキーワードが「第4次モーニングブーム」です。この言葉は、私が2025年10月10日にYahoo!ニュースで公開した「 第四次モーニングブーム到来!? ファミレスが朝に本気を出しはじめた理由とは 」で提示した概念です。 モーニングにはこれまで三度の波がありました。1950年代の名古屋喫茶文化を起点とする第1次、1980年代のファミレス拡大期の第2次、そして2010年代のエッグスンシングスなど外資・専門店主導の第3次です。 そして今、再び動き始めています。震源地は「ファミレス」です。なぜ今、大手各社がこぞって朝に力を入れているのでしょうか。その象徴的な事例である

三輪大輔
2月19日読了時間: 3分
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